AGAの原因「DHT」の生成を抑制するプロペシア。
ヘアサイクルが正常になり、太くたくましい毛髪が生えたり、薄毛の進行が止まるなどの効果があります。
薄毛治療においてプロペシアは非常に重要なお薬です。
ですがネットを見ていると「プロペシアに耐性がある」という口コミを見ることができます。
長年の使用で薄毛対策の効果が薄れてしまうという人がいるのです。
本当にプロペシアには耐性があるのでしょうか?
口コミや製薬会社、医師の意見などを分析し、プロペシアの耐性について考えていきます。
薄毛対策の目次
薬の耐性ってどういうもの?
世の中には様々な薬があり、それぞれ効果や副作用に違いがあります。
体質などによっては使えるもの、使えないものというのもありますね。
実は、薬によっては服用を続けていると効果が落ちる「耐性」というものがつくこともあります。
頭痛薬や向精神薬は耐性がつくことも
たとえば、ドラッグストアでも購入可能な頭痛薬は継続して服用していると効果が薄くなることがあります。
初めて飲んだ時はスーッと痛みが消えたのに、今ではズキズキが残る…そういうことが実際にあるんですね。
睡眠導入剤や便秘薬、サプリメントなどでも耐性のようなものがつくことがあるようです。
耐性がついてしまう理由とは?
耐性がつく理由は様々なものが考えられます。
体が慣れてしまう、病原菌・細胞が変異するといったことが主な原因です。
ただ、全ての薬に耐性ができるというわけではありません。
また、一定の休薬期間をとることで再度、薬効が感じられるようになることも珍しくはないようです。
プロペシアに耐性があるって本当?
耐性とは使い続けることで薬が効きにくくなる現象です。
実はプロペシアにも「耐性がある」という話があります。
例えばネットの口コミではこんな話があります。
- 当初は髪が増えたが、段々変化がなくなってきた
- 3年ほど飲み続けたところで効果を感じにくくなった
- 服用しているのに薄毛が進行し始めてしまった
などなど、AGA治療をしている・しようと思っている人にとってはちょっとイヤな話ですよね。
ただ、見てわかるように、人によって耐性の感じ方には違いがあるようです。
プロペシアの「効果の薄れ」を感じないという人もけっくたくさんいるようです。
プロペシアに耐性があるという噂の出処は?
そもそも、なぜプロペシアには耐性があるという話が出てきたのでしょうか?
いくつかその出処を考えてみたいと思います。
「プロペシア耐性」に関するネットの口コミ情報
ネットで「プロペシア耐性」と検索すると結構な数の口コミが出てきます。
このような意見が多いようです。
- 3年使用してるが最近抜け毛が増えてきた
- プロペシアの効果が感じられなくなった
- 毛が細くなって抜けやすくなってきている
- 発毛が感じられず、シャンプーでの抜け毛が増えた
- 2年ほどでプロペシアが効かなくなった
など、様々なプロペシア耐性に関する口コミがあります。
ネットの匿名情報ですから、全てが正しいかどうかはわかりません。
ただ、プロペシアを長期間使用している人の中には「効きにくくなった」と感じている人も少なからずいるのでしょう。
薬=耐性があるという考え方
薬は長期間使用していると体が慣れてしまい効きにくくなることがあります。
先述の通り睡眠導入剤や下剤などは連続で服用していると効果が出にくくなるようです。
ただ、全ての薬がそうであるわけでもなく、プロペシアにも耐性ができるのかどうかはなんとも言えません。
公開されている臨床データが5年以下
プロペシアを販売しているMDS株式会社では臨床データが公開されています。
5年間、服用者の追跡を行ったデータで、それを見る限りは「プロペシアの耐性」が明らかにあるという結果は見受けられません。
ただ、5年以上の長期服用の場合はどうか…それはデータ上ではわからないのも事実です。
10年、20年と続けていると耐性が出るのでは?と危惧する人が出るのは超長期服用のデータがないからなのかもしれませんね。
ちなみに、MDS社(旧・万有製薬)ではプロペシアの耐性を認めてはいません。
個人的には製薬会社がそういう姿勢でいる以上は安心して使用してもいいのでは?と感じます。
専門家はプロペシアの耐性についてどういう意見?
では、AGAや薄毛治療を行う専門家たちはどういう見解をとっているのでしょうか?
販売元は耐性を認めていない
販売元であるMSD社は先述の通り、プロペシアの耐性については認めていません。
それだけ薬に対して絶対的な自信があるということなのでしょう。
事実、5年間の臨床データを見る限りは、プロペシアに耐性があることは認められません。
医師の意見は説得力がある
クリニックの医師はほとんどが「プロペシアには耐性はない」というスタンスをとっています。
その根拠は様々ですが
- AGAは菌によるものではなく、耐性菌が生じない
- 精神薬と違い、神経に作用しないため耐性がつかない
- 多数の来院患者の追跡調査で耐性がでた例がない
- 別の原因で一時的に薄毛なっている可能性がほとんど
といったものが多く見られます。
「プロペシアに耐性がない」AGA治療の最前線で戦う医師の意見は説得力がありそうですよね。
プロペシアは脱毛を抑えるのが役目
では、プロペシアの効果について今一度考えてみましょう。
薬に含まれるフィナステリドはAGAの原因であるDHTの産出を抑える効果があります。
DHT与える毛根への悪影響を阻止されれば、ヘアサイクルが正常になります。
その結果、太くてたくましい毛髪が育ちやすく、異常な量の抜け毛が減る、という効果があるんですよね。
発毛ではなく脱毛抑制が得意
こうして見ると、プロペシアは決して「発毛薬」ではないことがわかります。
どちらかというと「脱毛抑制」の方が得意なお薬であると言えるのではないでしょうか。
ネットの口コミには「発毛が感じられなくなった」という声が多数あります。
しかし、そもそもプロペシアは発毛ではなく、抜け毛が減って健康的な毛髪を育てるサポートをする薬なんですよね。
なので、毛根そのものが老化や生活習慣の影響で弱っていれば「生えにくい」状態になってしまうのは仕方のないことです。
発毛しないのはプロペシアのせいではない
長年プロペシアを服用していて「急に抜け毛が増えた」というのはヤバイかもしれません。
しかし、「発毛しない」「新たに髪が生えない」というのはプロペシアのせいとばかりは言えないのです。
長年の使用でプロペシアの効果がわかりにくくなっている?
どんなものでも、長期間使っているとその効果がわからなくなるものです。
もしかしたらプロペシアも、感覚的に慣れてしまって「効果が実感しにくくなっている」だけかもしれません。
99が100になってもあまりわからない
プロペシア服用当初はかなりの薄毛でも、継続していけば徐々に改善していくものです。
1年の服用継続で毛量や毛の太さなど見違えるように変わってくることでしょう。
しかし、そうした劇的な変化を感じられるのは最初だけなんですよね。
0から1になるのはすごいことですが、99が100になってもあまり変化がわからないものなんです。
AGAの原因は抑えられているはず
5年以上も服用していれば、プロペシアによってDHTの生成はしっかり抑制されていることでしょう。
それ以上は改善というよりも現状維持の方が強くなっていくものなのではないでしょうか。
「服用当初に比べて効果が得られなくなった!これは耐性だ!」
そう焦る気持ちはわからなくもありません。
ですが、ほとんどの場合は、プロペシアの耐性ということではないのではないでしょうか。
安定期に入っているだけでプロペシアの薬効は現状維持として継続して効いているものなのだと推測できます。
耐性を気にするよりも、やるべきことがある!
フィナステリドの耐性ができた、と気にしすぎて服用をやめることは正しいことでしょうか?
そもそも、プロペシアに対して疑念を抱き、服用すらしないというのは問題な気もします。
何も手を打たなければ薄毛は進行してしまいますから、やはり薬は飲むべきはずです。
ミノキシジルを服用する
プロペシアは発毛よりも脱毛を抑える方が得意なお薬です。
ですから、服用していればそれ以上の抜け毛はしなくなることでしょう。
ヘアサイクルが元に戻ることで毛が太くなり、薄毛も目立たなくなるはずです。
さらに「発毛」を活性化させたいのであれば、ミノキシジルを併用しましょう。
プロペシアと違って、こちらは「発毛・育毛」が得意な成分となります。
脱毛を抑えて発毛を促す、プロペシアとミノキシジルの最強タッグを試してみてはいかがでしょうか。
AGAクリニックで相談をする
プロペシアの耐性かも…と思って一人で悩むのは良くありません。
まずは専門家である医師に相談して、頭皮の状態などをチェックしてもらいましょう。
案外、フィナステリドの耐性などではなく「生活習慣の悪化」「その他の脱毛症」「肉体の老化」などが薄毛の原因であることがほとんどです。
ネットの情報や口コミに左右されて「耐性がついたからもう飲まない!」なんて自己判断するのはやめましょう。
せっかくのプロペシアの効果が、服用中断とともに失われてしまいますよ!
フサフサ的まとめ
プロペシアは一度服用を始めたら、その後はずっと継続していくお薬です。
長年愛用していると「最初の頃より効果が感じられなくなった気がする…」ということもあるでしょう。
しかし、ほとんどの場合は「気のせい」であることが多いようです。
あまり心配しすぎず、とりあえずは服用を続けていきましょう。
プロペシアに耐性がついたかな?と不安になったら、医師に相談してみるのも良い選択ですよ!